今年一番の大感動旅鉄がここに集結 鉄旅 OF THE YEAR
2019 審査員メッセージ

井門 隆夫
芦原 伸(あしはら・しん)
一般社団法人 日本旅行作家協会 専務理事、「旅と鉄道」名誉編集長

鉄道(列車)がアトラクションやテーマパークの場にありつつある傾向だったが、本年も作品群は本格派思考あり、旅情あり、パフォーマンス企画ありと鉄旅オブザイヤーの本道に戻ったような印象があった。令和という新時代の幕開けにふさわしい作品群であった。
『旅鉄web』
井門 隆夫
井門 隆夫(いかど・たかお)
(株)井門観光研究所、高崎経済大学地域政策学部観光政策学科教授

もう9回目なのですね。毎回応募していただく皆さまには、日本の旅を盛り上げていただく上でもたいへん頼もしく思っております。たとえ受賞とならなくとも、そのアイディアに触れることはお客様同様、審査員も楽しみにしておりますので来年度の応募も心待ちにしていたいと思います。
また、鉄旅受賞のニュース性が増すことで、仕入力や交渉力に良い影響があるとすればこの上なく光栄です。
旅行業が単なる手配屋で済んだ昭和から、団塊の世代頼みの包括旅行が売れた平成を超え、令和になりいよいよ旅行業の存在価値が問われるのは間違いありません。日本の鉄道が、世界有数のコンテンツとなりインバウンドでにぎわうのはもちろん、多拠点勤務・多拠点居住のための移動手段として等、あらゆる世代に向けて新しい使い方を提案する時代になってきたと思います。単なるレジャー使いではない新しい活用のアイディアにも期待していたいと思います。
井門観光研究所
旅の手帖
五十嵐 匡一(いがらし・きょういち)
月刊「旅の手帖」編集長

いつものように鉄道を使った楽しい旅の提案が多く、楽しく審査できました。知っているはずの列車も、使い方でこんな回り方ができるのかと勉強にもなりました。さすがプロ! というような、通常は見られない場所が盛り込まれたプランもあり、旅行会社としてのこだわりを強く感じるものも多くあったと思います。また一般部門では障がいをもった方の旅プランもあり、これからの旅のあり方として大切な視点だと思います。
『交通新聞社』
榎本 聖之
榎本 聖之(えのもと・きよゆき)
バー銀座パノラマ渋谷店オーナー

正直どの作品も素晴らしく、すべてに「素晴らしい!」とコメントしたいぐらいでした。
旅行業界、とりわけ旅行ツアーにかかわる皆様は、つまるところ究極のエンターテイナーでもあるのではないか、との思いを強くしました。
これからもたくさん、旅行者を笑顔にする作品を楽しみにしています!
バー銀座パノラマ渋谷店
オオゼキタク
オオゼキタク
シンガーソングライター

毎年楽しく審査させていただいておりますが、いい意味でどんどんハードルが上がっているような気もして・・ご担当者の皆様の苦労がしのばれます。いつもワクワクをありがとうございます!今年も「そうか、その手があったか!」とハッとする瞬間がたくさんありました。埋もれている魅力を探り当てる嗅覚、周りを巻き込んでいく根気、このあたりはさすがプロ!ですね。これからも楽しみにしております。ありがとうございました!
オオゼキタク Official鉄道ブログ
大塚 圭一郎
大塚 圭一郎(おおつか・けいいちろう)
共同通信社福岡支社編集部次長、鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」執筆者

「鉄旅オブザイヤー」は令和初となる第9回を迎え、改元という時代の大きな節目を祝ったり、東日本大震災からの復興を目指して生まれた賞のコンセプトに似つかわしく被災地復興を応援したり、昭和世代にとっては懐かしく、訪日外国人旅行者に対してはナイトライフエコノミーの提案になり得る夜行列車を走らせたりとニュース性があり、社会的意義も大きい鉄道旅行が集まりました。今回も甲乙付けがたい力作ぞろいで、採点に非常に苦労しました。東京オリンピック・パラリンピックという一大祭典が開かれる2020年度は、「鉄旅オブザイヤー」も第10回の節目を迎えます。私も誠に微力ながら審査員を続投し、参加者を喜ばせて鉄道のさらなる発展に寄与し、地域社会を盛り上げるのに一役買う優れた鉄道旅行が続々と世に出るのを後押ししたいと考えています。
汐留鉄道倶楽部
栗原 景
栗原 景(くりはら・かげり)
フォトライター

今年も力作揃いで、選ぶのに苦労をしました。2020年は、「WEST EXPRESS銀河」の登場をはじめ、高級路線を走っていた観光列車に新しい風が吹き始めています。また、地域の絆を深め、全国から人を呼ぶ鉄道の力は全国でますます注目されています。「その手があったか!」と思えるような独創的な作品、「あ、これも鉄旅なの?確かにそうだ、面白いね」と思えるような、ユニークな作品が一層たくさん出てくることを期待しています。
栗原景オフィシャルブログ
崎本 武志
崎本 武志(さきもと・たけし)
江戸川大学社会学部現代社会学科 教授

鉄旅オブザイヤーの意義は、輸送手段・移動手段としての鉄道の本来の使命を再確認すると共に、それだけにとどまらない鉄道の新たな魅力を発掘することにあると考えられる。その意味で、9回目を迎える今回も、優れた企画力やアイデアによって鉄道の魅力を存分に引き出したツアーが揃った。
今回出品された鉄道業界、旅行業界の関係者の皆様や鉄旅オブザイヤーに出品いただいた方々のご苦労が偲ばれる。昨今では新型・改造型を問わず観光に特化した、いわゆる「観光列車」が各地で登場するようになっている。このような列車の登場によって華やかな魅力をもった鉄道の新たな一面が鉄道ファンに提供され、「非鉄」の方々にも観光資源として鉄道が認知されるようになっていると考えられる。令和の時代に入った今後は、鉄道が沿線の方々と 旅行者の方々とをつなぐコミュニケーションツールとしての役割を果たして欲しいと願っている。これからも鉄旅オブザイヤーに優れた鉄道利用の企画商品が集い、SDGs実現が求められる時代にマッチした交通機関として、鉄道のさらなる魅力発掘がなされることを祈念する。
杉山 淳一
杉山 淳一(すぎやま・じゅんいち)
フリーライター

全国に観光列車が増えて、それを取り入れた旅行商品も増えて賑やかになりました。行程に観光列車を入れるだけではなく、そこからもう一歩踏み込んで、特別なルートや貸切で独自イベントを開催する旅が好印象でした。観光列車はそれだけでひとつの旅行商品ですから、それを素材として捉え、ワンランク上を目ざすところが、さすが旅行会社だなあと感心しました。その一方で、観光列車に頼らず車両と臨時ダイヤで独自の列車を作り出すプランも旅行会社ならではの旅だと思いました。
OFFICE THREE TREES
鉄旅ガールズ
磯村裕美(いそむら・ひろみ)
鉄旅ガールズ

毎年非常に個性豊かな応募作を見ることができて嬉しく思います。各旅行会社の担当が凌ぎをけずり、その人らにファンがつき、ファンの要求にまた応え、趣向を凝らした旅行商品を造成し、販売し、催行する…。顧客との程よい距離感によるコール&レスポンスが明日の仕事へのモチベーションを生む、非常にいい流れに、いま、立ち会えている気がする。
鉄旅ガールズの会議室
南田 裕介
南田 裕介(みなみだ ゆうすけ)
鉄道好きマネージャー(株式会社ホリプロ)

快適、豪華、美味という旅のエッセンス・オプション・トッピングは年々バリエーションが増えますね。こんなことが現実化されるとは思わなかった企画作品も数多く。いろんなお客様を楽しませようという意気込みが伝わってきます。そんな中今年目についたのは快適・豪華などとは真逆の過酷な作品。
過酷な青春時代を送ってきた客層に目を付けた、てっちゃん以外はまるで相手にせず、その分てっちゃんの満足度を200%にするというベクトルの作品が多く、昭和49年うまれの私にはとても胸に刺さりました。
今後もどんな作品が飛び出すか楽しみです
ホリプロオフィシャルサイト
豊岡 真澄
豊岡 真澄(とよおか・ますみ)
元祖鉄道アイドル、ママ鉄代表ー

毎年レベルが上がっていくツアー内容に驚いています。企画者の思いや熱意がとても伝わってくるものばかりでした。
豊岡真澄オフィシャルブログ「ママ鉄・豊岡真澄の連心通心」
矢野 直美
矢野 直美(やの・なおみ)
旅をしながら「撮って書く」フォトライター

今回も素晴らしいツアーばかりで楽しく悩みました。ダイヤを工夫したり、さまざまな列車を盛り込んだり、夜の時間を活用したり、鉄道で地域を盛り上げる企画があり、お一人さまが楽しめる内容もあり、それぞれのツアーに「さすが旅企画のプロ」と感じ入る素晴らしいアイデアが詰まっています。災害復興企画、ローカル線を舞台にした企画では、鉄道が地域の大きな力になることを強く感じました。さまざまな観光列車が日本各地に走っているということも改めて実感しました。ツアー企画担当者さんのコメントにもありましたが、鉄旅オブザイヤーは素晴らしいツアーが生まれる原動力の一つになっているのですね。
矢野直美オフィシャルブログ