今年一番の大感動旅鉄がここに集結 鉄旅 OF THE YEAR
鉄旅オブザイヤー 2013授賞式レポ

2014年1月29日「第3回鉄旅オブザイヤー授賞式」が埼玉県大宮の鉄道博物館、鉄博ホールにて執り行われました。
参加者にはめでたく授賞された方々をはじめとし、鉄道関係者、実行委員関係者、マスコミ報道関係者、そして銀座模型バー「銀座パノラマ渋谷店オーナー」の榎本聖之さんや、「鉄道好き女子」の鉄旅ガールズなどの豪華審査員の方々におこしいただきました。司会は今回で3回目となる「女子鉄」こと、アナウンサーの久野知美さんです。


丸尾実行委員長の「この3回目の開催が、独創性と企画力が高まってきた証である」という言葉にあるように、多くの充実した作品の表彰式が始まりました。

授賞に先立ち、2014年夏に運行が決定し話題の、JR四国初となる本格的な観光列車「伊予灘ものがたり」のプレゼンテーションが行われました。JR四国・伊予灘ものがたり企画室室長の久保様からの直々の紹介に、みなさん興味深々に耳を傾けていました。


続いて、【鉄旅の想い出つぶやきキャンペーン】の受賞発表。総勢155通の応募の中から

栄えある最優秀賞は、「ももさん」の作品です。

時間と共に流れゆき、時代とともに移りゆく風景。 薄闇に灯り始めた街の明かりは、旅の終わりを美しく、そして切なく彩る。 ふと、窓に映った幸せそうな寝顔に気づいた。いつまでも変わらぬ景色。 この寝顔の隣が、私の指定席だ。 終点東京のアナウンスを聞いても、二人の旅は終わらない。

審査をいただいた「旅と鉄道」編集長 芦原さんが「夜行列車の情感がよく出ています」と講評された、旅情豊かなエッセイです。


それではお待ちかねの「鉄旅オブザイヤー2013」の表彰に移ります。
今回の対象は「グランプリ1作品」「準グランプリ1作品」「審査員特別賞2作品」に加え「ルーキー賞1作品」という構成で、プレゼンターは皆様ご存知「俳優・旅人」としてご活躍の、またこのアワードの審査委員長を務めて頂いた関口知宏さんです。

審査員特別賞の2作品

まずは、審査員特別賞2作品です。

1作品目は(株)日本旅行の瀬端浩之さんの作品で 【ミットナイト撮影会in銚子電鉄】です。

「銚子電鉄といえば何といっても“デキ”」という一言で始まった企画。日中では出来ない現状を夜に行うという逆の発想で実現に。夜の撮影会ならではの苦労もあったが、撮影会が終わるのが遅く、終電に間に合わず泊まるしかないなど地元にお金が落ちるメリットがわかったという副産物もありました。・・・との話。

2作品目は誰?と思いきや、
これまた(株)日本旅行の瀬端浩之さんの作品!!【広田泉さんと訪ねる 南三陸の今】でした!

震災から時間は経ってもまだまだ手が付けられていない。応援したいけど、応援の仕方がわからないという現状の中、「とにかく見てみよう。今を知らなければ何もできない!」と企画。ちょうどその頃、プロの鉄道写真家である広田泉さんも「何らかの形で活動を続けて行きたい」と考えていたところに日本旅行さんより話があり、“是非”とのことで実現。
いち早く全線復帰した「岩手開発鉄道」やBRTの見学を含め、鉄道利用を多く盛り込みながら復興の支援ができるツアーに仕上げましたとのこと。

W受賞は鉄旅オブザイヤーでは初の快挙!瀬端さん、おめでとうございます。

ルーキー賞

続いてルーキー賞です。

北海道オプショナルツアーズ㈱永山茂さんの作品
【廃線探訪シリーズ「①定山渓鉄道」「②夕張・三菱大夕張鉄道」の2本】です。

「本日、北海道より雪をかきわけて来ました」との話、遠くからお越しいただきました。 この作品は、おばちゃん・お一人・お年寄りの3つのキーワードをコンセプトとして販売したところ、鉄道が大好きな人(そんな人を鉄骨人種と勝手に呼んでます(笑))だけでなく、一般の方にも多く申込みをいただいたことに喜びを感じました。 廃線跡は北海道では“宝の山”。この宝の山を生かし、次のアワードではより上の賞を目指したい!!と力強いお言葉をいただきました。

準グランプリ

準グランプリの発表です。

クラブツーリズム㈱の小西美雪さんの作品
【クラブツーリズム貸切トワイライトエクスプレス車両で稀有な刻 瀬戸の絶景・呉線「ランチクルーズ列車」の旅3日間】です。

「憧れのトワイライトエクスプレスを使える!ぜひ最上級商品に!!」ということで始まりました。呉線の海辺の景色に、なかなか味わうことのできない食堂車「ダイナープレヤデス」での食事を堪能。社内では地元広島の人々との交流と、車掌さんの「A寝台スイートを解放」という粋な計らいもあり、ご参加の方には大いにお喜びに。 この企画は当然一人では達成できるものではなく、チームとしての力を結集してできた。このような素敵な賞を頂いたことは素直に嬉しく、携わった皆さんへの感謝とこれからもお客様に喜んでもらえる企画を作ってゆきたいとの言葉。

グランプリ

そして、最後にグランプリの発表です。
栄えある第3回鉄旅オブザイヤーのグランプリに輝いたのは・・・・。

(株)日本旅行の玉川淳さんの作品【北陸本線100周年記念号の旅】!!

まず最初に、「グランプリという栄えある賞を頂き大変光栄です」とのお言葉がありつつ、昨年準グランプリを受賞した時から「グランプリを狙っていた」と、本音も。
JR西日本さんより、北陸本線100周年記念として話があり企画をスタート。トワイライトやなにわなど数ある車両の中で、100年記念にふさわしい車両を検討した結果、地域でなじみがあり何といっても北陸本線の往年の名門列車として利用していた“475系車両”を利用することで決定。敦賀~糸魚川をゆっくり時間をかけて運行し、途中の各駅でもたっぷり時間をとりながら、合わせてイベントも行うという盛沢山の内容に仕上げました。そして一番のこだわりは、富山駅でのシンガーソングライター伊藤敏博さんミニライブの敢行。往年の名曲「サヨナラ模様」を参加者全員で熱唱できたのは生涯忘れることの出来ないことのひとつ。このグランプリに際し、「長い会社人生の中で本日のこの瞬間が絶頂である」と感じられるほど嬉しい気持ちであるとのメッセージをいただきました。

玉川さん、本当におめでとうございました。


こうして第3回鉄旅オブザイヤーは大盛況の中で無事に終了いたしました。
いずれも甲乙付けがたい作品ばかりでありましたが、どの作品も企画した担当者の妥協をしない姿勢と“熱意”、“こだわり”が伝わってくるものであったと思います。

最後に関口審査委員長より、
この鉄旅オブザイヤーは自分が“旅をした”ことと重なる部分が多くある。今この時代は、お客様が持ち始めている新たなニーズ、「関わりを持つ」、「個人的な喜び」、「演者になる」を満たすものでなければならない。その中でツアーを組むことは大変な時代であるが、プロとしての企画を今後も世に多く出してもらいたいという言葉で締めくくられました。

さらに多くの鉄道の旅の魅力を皆さんにお伝えできるよう、来年以降も引き続き“鉄旅オブザイヤー”は行われる予定ですので、皆様是非ご期待下さい。