● 企画担当者の声

「ななつ星in九州」の列車造成が始まった時から「ななつ星in九州」」と「飛鳥Ⅱ」とのコラボレーション企画をどのAGTにも先駆けて販売をしたいという強い気持ちで交渉を重ねた。「飛鳥Ⅱ」が「ななつ星in九州」の運行日に博多港に入港するクルーズが1年に1回あるかないかという中、予定の出航時刻では「ななつ星in九州」からの乗継ができなかったため、「飛鳥Ⅱ」の出航を遅らせていただいた。

また、「ななつ星in九州」のチャーター枠の確保も非常に困難な中、希望日程を頂戴できたことはＪＲ九州様との今まで積上げてきた関係の賜物である。乗車するお客様の情報やリクエストなど細かくお伝えすることで双方が理想とする形でツアーを実施することができた。関係各所に大変ご協力いただき実現した史上初のまさに〝夢の競演"企画。

行程前半に「ななつ星in九州」の乗車の行程としていたため、「飛鳥Ⅱ」の中でも毎年満船となる人気クルーズである日南花火クルーズと組み合わせ、行程後半まで飽きさせなコース全体の演出を心掛けた。

● 企画者の裏側！（苦労話、こぼれ話）

• 「ななつ星」の発車時刻の関係上、羽田空港7：25発と早朝出発にせざるを得なかったため、ご自宅から羽田空港までのハイヤーを1組に1台ずつ用意
• 関係各所と食物アレルギー、好き嫌い、リクエストやお電話の印象など細かな顧客情報を共有し、当たり前に最上級のサービスができるよう努めた
• 羽田空港、博多駅、博多港、神戸港、東京駅と要所に支店長･企画担当者が出向き、添乗員と一緒にアテンドをすることにより特別なお客様であるという想いを伝えた

● 企画担当者の声

(１)企画趣旨

当社では、東海道新幹線開業５０周年を記念して、様々なかたちの「新幹線の旅」を企画しています。夏休みには、   子どもと大人が一緒に、東海道新幹線の安全運行を支えるいろいろな仕事を体感できる「特別メニュー」満載の旅を 企画しました。東海道新幹線「大井車両基地」（東京都品川区）への回送線からの入場、ドクターイエローの車内見学、新幹線に乗車したままの洗車体験など、開業以来初の旅行商品です。

(2)アピールポイント

• 　東京駅から回送線を通って「大井車両基地」へ。車掌によるオリジナル車内放送で回送線の解説もお楽しみ。
     ※出発時に東京駅長がお見送りします。
• 　歴代新幹線ガイドツアーと新幹線ダイヤ作成教室（「リニア・鉄道館」）　
• 　車両基地では、新幹線の写真撮影会を実施。新幹線に乗車したまま洗車体験も。
• 　新幹線車内で現役車掌と一緒に車掌体験や新幹線にまつわるクイズ大会開催。
• 　新幹線電気軌道総合試験車「ドクターイエロー」の車内をプロがご案内。
• 　昼間には見られない新幹線保守用車両マルチプルタイタンパーの作業実演。
• 　新幹線の車両検査（交番検査）の実演と打音検査の作業体験。

● 企画者の裏側！（苦労話、こぼれ話）

• 発売前から問い合わせが殺到して、発売開始後19分で商品は全て完売。支店には開店前から商品を求めて並ぶ お客様も多数いらっしゃっり、鉄道の人気をあらためて実感した。
• 一般のお客様が普段は入ることのできないエリアに特別に立ち入るため、通常の観光地とは異なり見学用に整備されて いないことから、JR東海と連携し何度も打合せを行い、お客様の安全管理・セキリュティ対策等に万全を期した。
• 当日のスタッフの人数も警備要員や現地の説明要員を入れると数十人が対応することになった。
• お子さまに楽しんでいただきたく、夏休みの暑い時期の開催だったため、空調設備の無い基地に簡易クーラーや大型送風機を用意したり、塩あめを配布するなど熱中症対策を行った。
• せっかくの車両検査の解説が基地内の騒音でお客様に聞こえにくいことがわかり、ひとりひとりにイヤホン型の音声受信機を用意することで解決できた。結果、大好評でした。

● 企画担当者の声

鉄道ファンなら一度は夢見るブライダルトレインだが、実現には大変な労力と時間が必要で断念してしまう方も多い。また、従来のブライダルトレインはお客様のご要望があって初めて手配するものであり、商品といえるものではなかった。

この商品はブライダルトレインを実施するにあたり、駅長を立会人とした人前式、新郎新婦のドレスアップや前後泊、慶事弁当や記念写真などのアイテムをあらかじめまるごとパッケージにした商品で、電話一本でブライダルトレイン実施を可能にしている。

しかも使用する列車は大井川鐵道のＳＬとお座敷車・展望車で組成した特別編成で、車内宴会にも対応している。出発駅の新金谷駅ではホームで駅長を立会人とした人前式を行ない、折返しの千頭駅では転車台前でＳＬと集合写真を撮りケーキカットを行うなど、単なる貸切列車企画とは差別化を図り、一般参列者にも楽しめる内容となっている。また、自分でデザインするヘッドマークや記念硬券もセットにされ、マニア的視点からも満足を得られるよう注力している。

マーケティング的には７０名セットで２００万円と設定するなど、わかりやすい既製品を造成することによりブライダルトレインの潜在需要の掘り起こし（有効需要化）を実現している。商品自体は増員があれば増結により対応出るようになっている。

● 企画者の裏側！（苦労話、こぼれ話）

鉄道関連の造成は大井川鐵道の協力で比較的スムーズに行われたが、新郎新婦のドレスアップ（着付けやヘアセット等）できる美容室を探したり、ＳＬ型のケーキを作ってくれるケーキ店を探すなど鉄道関連以外の造成に苦労した。

また、すべての行程を分単位で構成しなければならないので緻密な計画が必要となっている。たとえば人前式だけでも、前の列車が出た後から参列者が入場整列して、新郎新婦入場・結婚承認・結婚証明書授与・指輪交換・誓いの口づけ・当該列車入線・花束授与・ヘッドマーク装着などがあり、その間に積込み作業もあるので、すべてを分単位で計画しなければならない。そのため司会は全て添乗員がやってしまうことになった。商品ではある程度ご希望の時間でダイヤを引き直すので、その都度計画を組みなおす必要があるが、これもノウハウのひとつである。

● 企画担当者の声

4月に全線開通した三陸鉄道･北リアス線を同じく4月デビューの新型お座敷車両を貸切で全線走破。車窓からの絶景を楽しんでいただくとともに、停車駅にてに三陸銘菓を積み込みながら走る｢お・か・し・な列車」と銘打った7月限定の企画。

全線走破だけでなく、各駅で積み込まれるお菓子を集めながら終点の宮古駅に向かうという遊び心に溢れた内容がアピールポイントです。積み込むお菓子は7種類でお土産として持ち帰れるものから、車内で召し上がっていただくアイスクリームまでバリエーションを豊富にしました。復興色が強かった三陸商品も昨年のドラマ影響もあり明るい話題が多くなり、地元の色を出しつつお客様に楽しんで頂ける企画を心掛けました。

● 企画者の裏側！（苦労話、こぼれ話）

「お・か・し・な列車」では様々なお菓子を振舞いながら乗車を楽しんでもらおうというコンセプトで造成を始めましたが、肝心のお菓子は誰もが知っていて関東圏でも販売されているような有名なお菓子ではなく、地域の特産品を使用したもの、地元では非常に有名だけれども知られていないものをお客様にはお渡ししたいと思い、現地の関係機関や行政の方々と連携しお菓子の選考を行いました。昆布バーや田老かりんとうなどはその代表的なお菓子です。

また、せっかく三陸鉄道･北リアス線に全線乗車していただくのであれば、ゆったりと三陸海岸の景色を楽しんでいただきたいと考え、貸切運行の予約が取りにくい中ではありましたが、4月にデビューしたての新型お座敷車両を使用した企画としました。

● 企画担当者の声

ここ数年、鉄道の旅ブームがどんどん加速しており、その中でも九州の観光列車は魅力的な車両が多く、今や全国各地の企画担当者が目を光らせてチェックしている観光素材かと思います。このツアーに関してもその魅力を最大限にアピールした商品ではあるのですが、決定的に違うポイントがあります。それは、「65歳以上の方又はご夫婦でどちらかが65歳以上の方のみが使える切符、アクティブ６５」を利用した旅行商品という事です。

ＪＲ九州さんが販売されている企画切符ですが ①３日間乗り放題　②観光列車や特急列車などの指定席が6回まで利用可能　③さらにイオンの割引券付き　と魅力満載のチケットなのです。　ＪＲ九州さんが車内の中吊り広告やＣＭなどでこの切符の宣伝を行っており、私たちの宣伝物にも「アクティブ65」を使うという事を記載し、相乗効果があればと思い宣伝物を作成しました。

実際に、予約をされる方からも「アクティブ65を使うんだよね？」と言われたり、逆に読売旅行のチラシを見て「アクティブ65」のチケットだけを購入される方もいらっしゃったりと団体手配とは違った効果を得ることが出来たのも新しい発見でした。　ご旅行当日は事前にお送りした「アクティブ65」を使うことにより、集合場所までの交通費の負担がなくなるので、その点でもお客様から大変喜ばれております。　

行程については、ＪＲ九州さんの「九州新幹線つばめ・あそぼーい・九州横断特急・ゆふいんの森・かもめ・みどり」の6つと南阿蘇鉄道さんの「トロッコ列車ゆうすげ号」を使い、別府温泉と長崎の夜景が見えるホテルに宿泊するという内容です。いくつかの列車には乗車されたことがあるというお客様でも、どれかは初めてという列車があればとも思い行程を組みました。

また、新たな取り組みではありましたが、貸切バスを使わないコースにすることで、少人数でも催行が出来るように工夫をした結果、中止のリスクも極力回避できたのが結果参加者にとっても良かったのではないかと思います。販売価格もお客様に訴求力のある、価格重視の29,980円で販売できるように交渉を重ねました。

● 企画者の裏側！（苦労話、こぼれ話）

企画趣旨の部分ではいろいろと述べさせて頂きましたが、実はこのコースは苦労・困難の果てに出来た商品なのです。2014年の7月より貸切バスの新公示運賃の改訂があり、バスツアーの造成も担当している私としては、前年に比べても適正バス代金でのツアー造成へと取り組む中で、少なからずの旅行離れが起きるのではないかと心配をしていました。　何か出来る事はないのか、新しい取り組みで少しでもお客様に支持頂ける商品を造成しないとという思いで、街のフリーペーパーや雑誌などを見ながら、いい案はないかと思ていました。

そんな時に駅にあった「アクティブ65」の告知に目が留まりました。内容や特典、価格を確認し、この切符を「フルムーン切符」の様に利用が出来ないかと思ったのが始まりです。　65歳以上のお客様向けのチケットなので、行程はゆったりと取り、バスが苦手な方への新たなアプローチにもなればとも思いました。乗換えも多々ありますし、個人ではなかなか回りにくいので、添乗員同行に致しました。また人数が少なくても催行できるように貸切バスを使わず、駅から歩いて観光が出来るスポットをチェックして行程を作成しました。

結果としてはこの商品がお客様に受け入れてもらえたことにより、列車だけを利用する商品でも売れるんだと感じましたし、今後の可能性も感じることが出来ました。今後も鉄道を利用した旅で新しいアイデアを出し、次回以降の商品造成にも生かしていければと思います。　また、今回企画切符の中に商品造成のヒントがあったので、これからも様々なことにアンテナを張り、新しいツアー商品の造成をしていければと思いました。