今年一番の大感動旅鉄がここに集結 鉄旅 OF THE YEAR
鉄旅オブザイヤー 2012授賞式レポ

 関東地方の大雪の残雪もようやく消えかけた2013年1月23日、「第2回鉄旅オブ・ザ・イヤー授賞式」が大宮の鉄道博物館、鉄博ホールにて盛大に行われました。
 参加者にはノミネートされた方々、鉄道関係者、受賞会社関係者、マスコミ報道関係者、また審査員を務めていただいた鉄道好きモデルの田中いちえさん、スカパー!255ch/546ch「鉄道チャンネル」プロデュサーでお笑いコンビ「ダーリンハニー」の吉川正洋さんなど多彩な顔ぶれ。
司会は、昨年に続き 同じく「鉄道チャンネル」局アナウンサーの久野知美さんに担当いただきました。
 皆さんの熱気あふれる雰囲気の中、授賞式に先立ってまずは本年度新たに設けられた一般消費者参加型の『140字で綴る鉄旅の記憶ショートエッセイ』の表彰。
 最優秀賞は「ももさん」の作品です。

当時まだ幼い私の手を引き、父はホームの階段を上がった。乗換時間は短い。駅の放送は発車時刻が迫っている事を告げる。「特別だぞ」そう言うと父は私をおぶって階段を駆け下りた。4人兄弟の真ん中で、親に甘えられなかった私が記憶する父の背中。それは発車ベルの音と共に思い出される。

親を慕う子の気持ちがにじみ出るエッセイですね。

 まずは開会にあたり、実行委員長の田川博己会長よりごあいさつ。
田川会長は「鉄旅オブ・ザ・イヤー」の主旨として、旅行会社のツアー企画がより上昇すること、また、鉄道を通じて日本各地の地域との結びつきや活性化が図られることを目的としていることを挨拶されました。
 田川会長の挨拶に続いては、2013年秋、九州に日本初めてのクルーズトレインとして運行が始まる「ななつ星in九州」のご紹介としてJR九州のクルーズトレイン本部の仲義雄次長が壇上へ。
 仲次長から列車のコンセプトや各室内、運行ルートをご案内いただきました。
「洋の中に和をとり入れる」というフレーズが印象的。早く完成した列車が走る姿を見てみたいですね。

その後、今回の表彰式プレゼンターを務められる「ななつ星in九州」クルーの小川聡子さん、川内谷留美さんがご登壇。制服姿でのご登場、非常に似合っておられます。
さて、いよいよ今日のメイン「鉄旅オブ・ザ・イヤー」の表彰です。

 審査員特別賞の3作品

①クラブツーリズム(株)の森永さん企画
「鉄道でめぐる!日本一周の旅14日間」
北海道から九州まで全25列車に乗車。さらに日本の最北端、最東端、最西端、最南端4つのさいはてを訪問、宿泊は全て温泉地という凝り様。お客様の満足度も高かったようです。
②クラブツーリズム(株)今里さん企画
「クラブツーリズム紅葉エクスプレスで行く秋色に輝く北海道5日間」
JR北海道ノースレインボー車両をチャーターし、紅葉真っ盛りの道央~道東をめぐる商品。このツアーは東京・仙台・名古屋・関西・九州の5拠点で募集し全国各地のお客様にご参加いただいたことも評価されていたようです。
③(株)JTB西日本
「サロンカーなにわ鉄道クルーズ日本海の絶景を望む山陰縦断ローカル線の旅4日間」
このツアーは“非鉄系”のお客様向けに作ったとのことで列車に乗るだけではなく船のクルーズ感覚で旅行の面白みを感じてもらえるように作ったそうです。駅での郷土芸能、出雲大社の特別拝観、列車の中での古事記講座等細部にこだわりをもったつくりになっていました。

 準グランプリ

(株)日本旅行 西日本営業本部、玉川さんの作品
「欧亜国際連絡列車100周年記念号の旅」
大阪~敦賀間に「サロンカーなにわ」を団臨設定し、その接続で敦賀~ウラジオストック(ロシア)間をクルーズ船で巡る旅。駅のイベントでは地元の方々3000人が見物に来たとのこと。
昔日本が抱いていた“国際列車”を走らせる夢を叶えるようなツアーとの評価を得ていました。

 グランプリ

(株)JTB中国四国、真田さんの作品
「貸切やきとり列車の旅2日間」
2010年7月の集中豪雨で大きな被害を受け、1年以上もの間不通になっていた美祢線を運転再開を機に同路線の利用促進を絡めたイベントツアー。地元名産の長州黒かしわのやきとり、地元のB級グルメやスイーツをビール・地酒・ワインを飲みながら社内でワイワイ騒ぎながらツアーが進行していくとのこと。
登壇者もやきとりのきぐるみで登壇し、聞いているだけで我々も乗ってみたいという気になってしまいました。

さて、すべての発表が終わったところで審査員から3名にご登場いただきました。
ダーリンハニーの吉川さんからは「グランプリのやきとり列車の皆さんは賞金(10万円)を全部飲んじゃうんですか?」と、楽しいコメント。  
 「地球との結びつきが鉄道にはある」というのは鉄旅ガールズの堀込さん。ご本人も今度上毛鉄道マスコットキャラクターで声役を担当されるとのこと。
 タレント田中いちえさんからは「とても悩みました。どれも行ってみたいツアーばかり」と企画者にはとても嬉しいコメントをいただきました。
こうして大盛況のうちに第2回鉄旅オブ・ザ・イヤー授賞式はおひらき。 来年度も、鉄道を利用した新鮮であっと驚く旅行企画に出会えるよう頑張りましょう!来年もお楽しみに!